MSWの留意すべき転院援助のポイント
<第4回 介護老人保健施設への入所について(上)>
1. 介護老人保健施設(以下、老健とする)
定義については各施設のパンフレットやあちらこちらに書いてあるので、省略させていただいて、ここではその項目が何を意味してくるかを少しだけ覗いてみたいと思います。
特に理解されにくいのが医療の部分です。定義の中に『現在、加療の必要のない方』といった内容があります。老健には医師、看護婦がいるために家族の方はもちろんMSWの方からも「急性期を過ぎれば入所が可能なのでは?」と思われて依頼されるケースが今でもたびたびあります。ところが実際には施設入所中は医療保険を併用をできないために(一部例外あり)、介護保険の中で施設が提供できる医療行為には限りがあります。
2. 病院から老健入所への一般的な流れ
(1) MSW、家族からの問い合わせ
(2) 面談、かかりつけ医にお願いする診療情報提供書や必要書類の依頼等
(3) 判定会議
(4) 利用が決定した上でベット調整をして入所等のサービス開始
3. 判定会議にて
視 点
◎医療的に対応可能か?
・治療を要する疾病の有無
・服用薬について施設として対応が可能か?
・バルーン、ストマ、胃ろう、継管栄養等の対応の可否
・感染症の確認
最重視している施設が多いポイントです。必要な医療に関しては介護保険の療養費、いわゆる“まるめ”の中で行わなくてはなりません。ところが老健内では医療器具、材料は各施設の用意に任されていますし、検査などは行えたとしても尿の潜血反応や血糖の簡易測定が精一杯でしょう。その他の検査を含めた医療を受けるとすれば外部の病院に保険外でかからなくてはなりません(併設病院でもこの点は変わりません)。もちろんその際にかかる費用はごく一部の保険適用可能な項目(歯科受診全般、初・再診療、レントゲンやCTの画像診断料等)を抜かして施設が負担していくことになります。そのために現在の健康状態や今後の定期受診の必要頻度等が検討事項となります。通院の必要がない方が前提ですが医療依存度が高い場合は各施設によって許容範囲が違うので、確認が必要でしょう。同様に感染症についても各施設の考え方にずいぶんと差があるようです。
◎経済的に問題はないか?
差額ベットを使わなければ各施設の料金にほとんど差はなく、おおむね8万円以下に収まります。経済的に問題のあるケースについては介護保険の食事療養費の減額以外にも、2種社会福祉事業を行っている等で生活保護受給者や非課税世帯に対して減免が可能な施設もあります。
◎今後の方向性はどうなっているか?
退所後の生活について相談しながら、施設内ケアプランをたてて様々な準備をすすめていくのですが、今後の方向性によってその準備内容が異なります。より具体的な方向性をつけていくためにもおおよその方向性があれば参考となります。
このほかにも例えばリハビリなど、ニーズに対して施設で提供できるサービスと合っているかなども判定会議で検討された上で利用が決定します。このような内容を理解した上で次回は入所依頼に際してどのようなことに留意して準備をすればよいかについて触れていきたいと思います。 |