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MSWの留意すべき転院援助のポイント

<第6回 在宅療養に向けた援助について
(上)>
1、はじめに
 現在、入院患者の平均在院日数の短縮の方針のもと、多くの病院では退院指導が積極的に行われています。
 MSWが行う退院援助の方法としては、転院・施設入所・在宅療養への導入があげられます。
 患者さんやご家族が在宅療養を選択した場合、家に帰っても安心して過ごせるよう、私達MSWは積極的に援助していく必要性があります。
 今回は、在宅療養の患者さんを専門に診ている往診専門医療機関所属のMSWの立場から、在宅療養に向けた援助のポイントを紹介していきます。

2、MSWの関与が必要な理由
 往診専門医療機関所属のMSWから見て、在宅療養に向けた援助を開始する際、ご家族や担当医師から直接連絡を受けて開始するケースが多く、それまで患者さんが入院もしくは通院していた医療機関のMSWの関与が少ないのが現状です。システム的な問題はあるかと思いますが、入院中の医療機関のMSWが積極的に在宅支援に関わることによって、より円滑な在宅療養に向けた援助ができるように思われます。
 入院中の医療機関のMSWが関わらないケースでは、在宅療養を開始する際、情報が不足していたために、問題が生じることが多くあります。例えば、ご家族からの連絡だけでは医療的な情報が乏しく、担当医師からの連絡だけでは経済的な情報や社会的な情報が不足します。
 在宅療養は病院と違い、何もないところから始まるために、退院前に必要な医療機器を準備しなければなりません。医療情報が不足し、医療器具の手配が遅れてしまったケース、使用する医療機器や衛生材料などの自己負担金を退院後に知ったために問題となってしまったケース、制度の利用が遅れてしまったために、患者さんやご家族に不必要な負担を強いるケースなどもあります。
 上記のような問題を避けるためにも、入院中の医療機関のMSWの関与は不可欠であると思います。

3、入院中の患者さんが在宅療養へ移行する際の一般的な流れ
 往診専門医療機関所属のMSWはおおむね以下のような流れで業務を行っています。
1)患者・家族・入院中の医療機関のMSWからの問い合わせ
2)電話相談
 *診療情報提供書・看護サマリーなど必要書類の依頼
3)往診専門医療機関の院長・Ns・MSWにて受入れについての協議
4)受け入れが決定した上で退院の日程調整
*希望に応じて、特に癌末期などの重症な方の場合、関係者(※1)で集まって、入院中の病院にて、随時カンファレンスを行います。
※1 ご本人、ご家族、主治医、往診医、訪問看護ステーションNs、MSW、保健婦、PT、OT、福祉事務所職員など。

4、在宅療養を受け入れしていくかどうかの協議のポイント
 重視する視点として以下の点が挙げられます。
◎在宅で対応可能な医療レベルか?
 ・IVH挿入
 ・胃ろうの造設
 ・胃ろうの交換(内視鏡が必要なタイプの物)
 ・在宅での輸血
 ・抗ガン剤の投与
 ・在宅でのレントゲン、CT撮影
 一般的には在宅療養では上記の治療が必要な方の受け入れは困難になります。必要な場合は、その都度対応可能な病院へ外来受診してもらうなどしています。
◎経済的な問題は無いのか?
 Drの訪問にかかる費用は、老人医療対象の方であれば、老人医療費の負担と、介護保険の居宅療養管理指導の負担を合わせて、概ね月4,000円の負担になります。老人医療対象でない方は月20,000円程度の費用負担があります。
◎今後の方向性について
 在宅療養はご本人、家族、Dr、Nsの話し合いによって進められていきます。ご本人や家族が今後どのようなことを希望しているかによって、援助内容は異なってきます。
 例えば、ターミナルケアの場合においては、最期のときを自宅で迎えるのか、意識がなくなった時点で病院に戻るのか、それともあくまで短期間の在宅療養とするのかといったことです。
 今後どうしていきたいのかについて、在宅療養に移る前、入院中に確認しておくことが重要になります。


 以上、在宅療養として受け入れを行うかどうかの視点は幅が広く、事前に十分な準備を行うには、やはり入院中の医療機関のMSWの協力が不可欠になります。
 ぜひ、その事を頭の片隅に残しておいていただいて、在宅療養に移行する際、素早くMSWが関われるよう、アンテナを立てておいて頂ければと思います。

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