「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」(案)に
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「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」
に対する意見

2013.9.21
一般社団法人 東京都医療社会事業協会
会長 武山 ゆかり   会員数 872名

 はじめに
 私たちは、東日本大震災の発災直後から被災地の方々の身体および心理面での健康維持と長期的な避難生活と健康への侵襲に留意して、医療福祉面からの支援を行ってきました。 また福島県をはじめ、宮城県、茨城県ほか関東圏の医療ソーシャルワーカー協会と協力し合い被災者および避難を余儀なくされた方々に必要な支援を続けてきた立場から、今回この基本方針案への意見を述べさせていただきます。

  1. 2011年6月には、旧赤坂プリンスホテルに一時避難されていた方々へ、私たち医療ソーシャルワーカーによる相談支援活動を行いました。生後間もない乳児や小中学生から高齢者まで、直接にまた家族を通しての相談内容に、被災しかつ避難されて来たことによる様々な心身への反応や、生活への影響が大変おおきいことを検証し、避難所閉鎖後も各地に移られた方々の支援を継続しています。また、その他にも避難先や通院先の医療機関などにおいて、日常業務を通じても関わることがあり、被災。避難の影響をつぶさに感じています。
     こうした支援活動から、対象地域は指定された範囲にとどまらず広く関東圏に及んでいることが明らかになっています。発災当初、要避難地域の発表が、遅れたり信憑性にかけていたことも相まって、都内の乳幼児をもつ家族が、関西や九州に避難した例もあり、子どもをすでに小児がんで失っていた親が,その子の兄弟の健康と命を何としても守りたいと福島県から遠方へ預けずにはいられなかった例などもあります。個々の感情、反応の強弱は、個々の事情によるものでもあり非難・批判すべきものでは全くなく、従って避難区域等の線引きは一律であるべきではありません。また放射能汚染の数値も、地域ではっきりと線引きできるものでないことは明らかです。少なくとも福島県全域は対象とするべきです。

  2. 避難された方々の生活の保障は、個々の事情や状況に即した内容と金額であるべきです。 避難先の生活環境や、家族形態、近隣の親族知人の有無、就労の事情や時間的経過による変更の希望など、様々です。災害がなければ発生しなかった困難が多々ありながらも狭い範囲の選択肢から余儀なく選んだ現状もあります。「いつまで」さえ指し示せない現在です。国と東京電力は「一律の保障」ではなく、当事者の思いや希望を親身に聞き「一律の安心感」をこそ保証すべきです。受け入れ自治体も、「公平性」等の都合の良い文言での対応は、自県民からの信頼をも失うものです。災害時に互いに助け合うモデルこそが次の減災の備えを産みます。各自治体での具体的支援の手立てと担当部署の人員配置を早急に整備し実施して下さい。

  3. 医療費の減免は、すべての被災者と医療への信頼を基に「必要な期間」行うべきです。その経験は日本において原水爆による被害者援護法の度重なる拡大の経験を持ち、今なお裁判も行われ、長きに渡る被害の検証がされています。生物への影響が長期にわたることがありうることをも想定して対処することが、将来かかる医療費を抑制することにもつながることを確信します。科学的解明のためにも福島県内および県外被災者の医療の保障は続けるべきです。またそのための専門医療機関や人員の確保を早急に計画、配置が必要です。

  4. すべての事実と経過、数値を明らかにすることを要求します。その上で、科学の力を持ち被災による影響を削減することの研究と実施を求めます。そのための施策は優先されるべきことです。またそれは、国と東電が責任をもって全ての作業の末端まで、管理と責任を明らかにして行われるべきです。漏れや落ちが有って、被爆や汚染削減の遅れがあってはならない問題です。全て「予防原則」に則って対処されるべき問題です。

  5. 事故や経過における被害の解明は総力をもって明らかにすべき問題であり、その経験から、同じ過ちや事故を回避するための事実の検証、対策の構築が必要です。そのためには、当事者、関係者、研究者の意見をもれなく聞き、検討する真摯な機関が必要です。現在の政府、関係団体にその信用は得られていないことは国民の多数に危惧されている現実を知って正しい方向に向ってください。具体的な対応、計画を早急に示し、かつ広く関係者に問うて、有効に働きうる部門を優先して設置してください。

  6. 相談支援については専門の機関の活用を検討されたく、私どもも医療福祉の専門性をもっての協力を惜しまず支援をしていく所存であることを付け加えます。

以上、私たちの意見としてご検討いただき、一日も早い支援策の実行を期待いたします。