平成23年度事業計画

Ⅰ.基本方針

 経済、教育、医療、生活など全ての面で希望の持てるビジョンが国民に示されないままの1年でした。後期高齢者医療制度の廃止や、安定した雇用、安心できる社会保障は、国の政策にも都の施策にも見あたりません。多くの貧困や格差に由来する事件が次々と起こり、他所での事件ではないと強く感じながら職場での相談にあたった会員も多かったと思われます。
 こうした、国全体に広がる閉塞感の中で、都民の必要とする保健・医療の情報や私たちの仕事が十分知られていないことが、地域巡回医療福祉相談会や電話相談のなかで目に付きました。相談者、依頼者にも、また地域の医療、介護関係者にも、私たちの存在と仕事を知って、ともに状況を切り開く力として頼ってもらえる機会を重ねていく必要があります。法人の新しいかたちも、そうした活動がより一層活発に行え、かつ個々の会員が職場でも地域でも力を発揮できる支援やシステムを作っていくことをめざしたいと考えます。
 相談件数の増加や深刻化に加え、業務の記録や報告書の作成、データの集計など、相談面接以外の業務量も多く課せられ、どの職場も多忙になっていることは事実ですが、一方、複数のSWが配置されている職場も増えています。外へ目を向け、都協会や各ブロックへの発信と連携、協力を広げ、日常業務を軽減、進展させることを可能にし、かつ社会問題への働きかけなどにも分担して取り組める可能性もあります。今、私たちに求められていることを、各職場で深く話し合い、支え合い、工夫し合う協会員であることを期待し、下記の事業を提起します。

  1. 新たな法人への移行の手続きを開始し、進める。
  2. 今後の事業や、会の方向について、会員全員の主体的な関わりと理解を得、討議し、参加する活発な協会事業や各ブロックでの活動を展開する。
  3. 会員の組織的運営についての理解を促進し、事業や運営への協力を仰ぎ、参加しやすいシステムを構築する。
  4. 組織問題の進展に合わせ、事務局機能を強化する。広報、ホームページの充実を図る。
  5. 電話相談を含め医療福祉相談事業の充実や公開講座など公益事業の拡大に努める。
  6. 医療福祉に関わる他団体との連携を深め、公益事業と社会活動を推進する。
  7. 専門性を高める事業、および各種研修の充実に努める。会員の主体的参加により、保健・医療・福祉分野に関する諸問題の調査・研究・ソーシャルアクション及び提案を行なう。
  8. 医療福祉事業の充実のための要望を東京都及び都議会に対して行なう。
  9. 未加入の医療ソーシャルワーカーの入会および複数配置を働きかける。

Ⅱ.管理運営方針

 法人移行に関して、今年度内に新公益法人制度における「一般社団法人」への移行を開始する。また、特例民法法人として定款に定められた各事業を円滑に遂行できるよう努めるとともに運営規定を尊守し、以下の内容に取り組む。

1.特例民法法人の要件整備に努めると共に、新法人への移行申請の準備を行う。

  1. 特例民法法人の最高意志決定機関である総会への出席会員の増員に努める。
  2. 協会活動の原資である会費の早期納入、賛助会員、寄付金の拡大を促進する。
  3. 法人移行については、定期総会において提議し、会員の理解を得るように努力する。
  4. 更に事務局体制を強化し、円滑な管理運営に努める。
  5. 会計処理を事務局で処理する体制を維持する。

2.事業に関する会員の理解を深め、会員が主体的にかかわり、積極的に参加できるように努める。

  1. 特例民法法人としての独自事業である相談会活動を行う。そのために地域の相談会活動の普及を支援し、相談会実行委員会の協力を得て、新たな公益事業活動を準備する。
  2. 理事会は、ブロック会・ブロック代表世話人会及び各種専門委員会と連携し、会員の要望を把握し、協会活動に反映するように努める。
  3. 相談会等に会員ならびに他職種が安心して参加協力できるように傷害保険に加入する。また来談者に対しても不測の事態に備え傷害保険に加入する。

3.組織を強化するために会員の理解・協力を求め、協力員の増員を図る。また会員の状況を把握しやすい協会活動の基盤整備を行う。

4.コンピューターを活用し、協会事務所の機能強化を図る。

  1. ホームページの管理と協会の広報を行う。
  2. 会員管理を的確に把握できる会員管理ソフトを使用し、充実を図る。

5.広く都民に対する公益活動として、公開講座を定期的に開催する。

6.医療福祉関係の他団体との連携を深め、公益事業と社会活動を推進する。

  1. 東京都難病相談・支援センター主催の「難病相談会」に医療ソーシャルワーカーを派遣し、協力する。
  2. 東京都看護協会が主催する「看護フェスタ」に東京都をはじめ医療関連12団体と協力して開催する。
  3. その他、ホスピタルショー等のイベントへも参加し、協会活動のPRに努める。

7.次の事業について受託契約し、事業の遂行に努める。

  1. 地域巡回医療福祉相談会(東京都)
  2. 医療社会事業従事者講習会及び講習会成果(医療ソーシャルワークの解決技法)編集(東京都)
  3. 電話相談(医療と福祉110番)(東京都)

8.委託事業の充実のために、東京都に予算の増額を要望する。

9.未加入医療ソ-シャルワーカーの入会を促進し、組織の拡大に努める。

Ⅲ.各事業計画

〔定款第1号事業〕

1)医療ソーシャルワークの普及及び向上に寄与する事業

1.社会活動として協会主催にて都民を対象に公開講座を開催する。企画運営への参加を広く会員に呼びかける。〔自主事業〕

2.東京都難病団体連合会(東難連)主催の都民対象の「難病検診」に引き続き協力していく。年5回の開催に対し、1回の開催に必要な医療ソーシャルワーカー3名(そのうち1名は協会主催の新人研修会を終了数年目の会員)に参加を求めて行く。〔受託事業〕

3.「地域医療福祉相談活動企画運営委員会」では社対部と総務部が合同で都民対象とした、地域の医療福祉相談活動や各地域での相談活動の充実と企画運営について検討していく。委員会は地域巡回医療福祉相談会運営委員と各地域の相談会実行委員等で構成する。〔自主事業〕

4.「江戸川区医療福祉相談会」は協会主催の独自事業として江戸川区及び江戸川区医師会との協力のもとに、都民対象に独自相談会を開催し、保健・医療・福祉サービスの情報提供や個別相談を行う。〔自主事業〕

5.「西東京市医療福祉相談会」は、協会主催の独自事業として西東京市および西東京市民生委員会との協力のもとに、都民対象に年1回独自相談会を開催し、保健・医療・福祉サービスの情報提供や個別相談を行う。〔自主事業〕

6.「西東京市医療福祉相談会」は、協会主催の独自事業として西東京市および西東京市民生委員会との協力のもとに、都民対象に年1回独自相談会を開催し、保健・医療・福祉サービスの情報提供や個別相談を行う。〔自主事業〕

7.「清瀬市医療福祉相談会」は、協会主催の独自事業として清瀬地域の医療福祉団体との連携協力の下、都民対象に年1回独自相談会を開催し、保健・医療・福祉サービスの情報提供や個別相談を行う。〔自主事業〕

8.「なんぼら江東」が主催して行なっている「江東区医療福祉相談会」は、当協会会員の医療ソーシャルワーカーが都民を対象に、年1回独自相談会を開催している。都協会ではこの相談会を後援していく。〔自主事業〕

9.江戸川区、江戸川区医師会主催、(社)東京進行性筋萎縮症協会後援にて年1回開催される「江戸川区神経難病検診」に、都協会として医療ソーシャルワーカーを派遣し協力していく。ワーカーの参加を広く会員に求める。〔自主事業〕

10.「江戸川区医療福祉連絡会」は、江戸川区介護保険課が主催し、江戸川区医療福祉相談会実行委員会が共催し、MSWと行政、地域福祉機関との連絡会を定期的に開催するものである。協会としては江戸川区周辺の当協会会員の医療機関のMSWが参加し話し合いの場を持つことに協力していく。〔自主事業〕

11.「江戸川区介護フェア・シンポジウム」と「江戸川区医療と介護の連携会議」は、江戸川区が主催する医療と介護の連携をテーマとした会議の場である。江戸川区医療福祉相談会実行委員会のメンバーが中心となって、運営に協力し、ソーシャルアクションしていく。〔自主事業〕

12.「江戸川区介護事業者向け医療研修」が江戸川区から委託を受けた特別非営利活動法人 江戸川区ケアマネージャー協会主催で開催される。その開催に向けてのプロジェクト会議に、江戸川区医療福祉相談会実行委員会のメンバーが中心になって参加し、研修講師として協力していく。

13. ソーシャルアクションを行うための方法と技術を会員が修得できるように研修事業を行う。〔自主事業〕

〔定款第2号事業〕

2)会員の専門知識・技術の向上に関する事業

 会員の教育、研修の場を提供し、会員の資質の向上と、会員相互の交流を促進していくことに努める。また、各ブロックでの研修活動や、会員からの自主的な研修企画・運営への参加など、会員各自が自らの研修の場を創造していくことを支援し、そしてそれらに取り組んでいく人材育成を支援する。

1.講 座〔自主事業〕

 年3回開催を目標とする。また、内容としては新人もベテランも参加できるような医療・福祉の課題や時代に左右されないものとし、今年度は年3回共通のテーマに沿ったものとして開催する。

2.研修会 ※講師 敬称略

1.新人研修〔自主事業+一部受託事業〕

 研修全体で新人として必要な知識や技術や価値等が学べるような研修を開催し、受講生同士の交流となる機会も多く設ける。講義形態は通年コースと集中コースを設定し、募集規模・開催時期・開催時間等は例年通りとする。また、特別講義の内容については昨年度実施した研修アンケートから得られた会員のニーズに合った内容に見直す。運営としては、会員の縦と横のつながりを強化するために前年度の受講生が協力員として関わる体制で開催する。

【講師】樋口 昌彦(至誠会第二病院)
大沼扶美江(都立広尾病院)
小松 美智子(武蔵野大学)
その他、複数名の講師を予定している。

2.グループスーパービジョン〔受託事業〕

例年通りA・B・C・Dと4講座、各年10回開催。 A・B・Cは平日の夜間、Dは土曜日の午後開催。
【講師】佐藤 俊一(淑徳大学)
柏木 昭 (日本精神保健福祉士協会)
窪田 暁子(中部学院大学)
堀越由紀子(田園調布学園大学)

3.スーパーバイザー養成講座〔自主事業〕

前年に引き続き平日の夜間年8回開催。
【講師】福山 和女(ルーテル学院大学)

4.連続講座〔自主事業〕

  1. MSWのための労災講座。土曜の午後年5回開催。
    【講師】平野 敏夫(ひまわり診療所)
    その他、講師複数名を予定している。
  2. カウンセリング(心理的面接の進め方)講座。平日の夜間年5回開催。
    【講師】増井起代子(東京逓信病院)
  3. 土曜日研修 新規事業。土曜の午後年5回開催。
    外国人、記録、出産・育児など領域の異なる内容で毎回開催し、
    5回セットの受講申し込みだけでなく、各回のみの受講申込みもできる形で開催する。
    【講師】小嶋 章吾(国際医療福祉大学)        
    その他、講師複数名を予定している。

 

3.研修内容の振り返りや講座のPRと研修運営

東京MSWや医療ソーシャルワークやホームページなどを利用し、研修内容の振り返りや講座のPRを行う。 また、他県協会と連絡を取って更なる研修内容の向上につなげていく。そして、研修運営としての担当制はとるが、教育部全員が各研修の開講実態の把握に努める。

4.プログラム検討委員会

協会の研修事業の体系、内容などを検討する諮問機関。4~6回/年開催予定。

5.東京都が主催し、医療関連12団体と共催する「医療従事者ネットワーク講演会」を」年1回開催し、会員の資質の向上を図る。

〔定款第3号事業〕

3)医療ソーシャルワークに必要な調査研究に関する事業〔自主事業〕

1.医療福祉問題研究委員会

 医療福祉問題研究委員会は、理事会が承認する専門部会であり、社会福祉・保健医療分野における諸問題の調査、提言、およびソーシャルアクションを行うことを目的に来年度も調査、研究事業を行う。
 新規テーマに関しては年度のはじめに募集を行い委員会で検討する。
 「実態調査研究専門小委員会」は、社会制度上の問題から発生するMSW援助困難ケースの実態を踏まえ、その社会問題を吟味し、問題解決に向けての援助方法の質や量を充実させ、相談者に還元できるようにしていく。平成22年度に引き続きソーシャルアクションをすべく活動する。広く会員からアンケート等で情報を集めていく。

〔定款第4号事業〕

4)刊行物の発行等に関する事業〔自主事業〕

1.会員向けニュースレター「東京MSW」の発行(各号1,100部)

年5回定期的に発行。会員相互の情報共有、新しい情報の提供を行うとともに、協会活動を発信する媒体として機能するような内容の充実に努める。

  • 発行回数 年5回(5、9、11、1、3月予定)
  • 協会活動の動向を掲載
  • 相談会など各部門の活動報告を掲載する
  • 「ご存知ですか」「温故知新」などのコラムを継続する

2.機関誌『医療ソーシャルワーク』の発行(1,500部)

  1. 医療ソーシャルワークの実践を基にした報告や研究会を会員に広く呼びかけ、内容の充実に努める
  2. 会員のみならず、社会福祉を学ぶ学生やMSWを目指す人々に向けての企画を充実させる。 (学生へのメッセージ、病院紹介、事例紹介などの企画継続)
  3. 医療福祉関連企業・団体の広告掲載を積極的に呼びかけ、結果的により一層協会活動のアピール媒体になるように努める。
  4. 会員のみならず、医療・福祉等を学ぶ学生などへ「医療ソーシャルワーク」の購入を広く働きかけていく。

3.その他

  1. ホームページを利用しやすくする。  ホームページは、協会活動への参加の最初の窓口となりやすい。そのため、協会活動を分かりやすく伝える媒体として内容を充実させていくとともに、協会活動への積極的な参加につながるようレイアウト等改善していく。
  2. 運営体制の充実をはかる。  取材記者など協力員を募集し、運営体制を充実させる。

〔第3号議案〕

役員の選任について

2011年1月18日付告示による、社団法人東京都医療社会事業協会の役員選挙については、以下のとおり、理事19名・監事1名の立候補がありました。
 つきましては、立候補者数が役員の定数を超えないため、役員選挙規定第9条により、立候補者を無投票当選とします。
 なお、定款第11条〔理事及び監事の選任〕に従い、下記の者が当協会の役員に就任することについて、総会において選任して頂きますようお願いいたします。                                (届け出順)

理 事 村山 正道 陵北病院
髙久 栄子 心身障害児総合医療療育センター
高橋 澄穂 森山記念病院
武内 昶篤 自宅会員
須山 弘美 東大和病院
仲谷 恵美子 第一病院
山﨑 まどか 清智会記念病院
田上 明 東京都清瀬喜望園
内田 美沙子 田無病院
小笠原 太 東京都保健医療公社 荏原病院
安仁屋 衣子 厚生中央病院
品田 雄市 東京医科大学病院
加藤 淳 南町田病院
上田 薫 一橋病院
武山 ゆかり 財団法人 がんの子供を守る会
平田 和広 上板橋病院
内藤 とし子 自宅会員
平林 朋子 東芝病院
井上 孝義 信愛病院
監 事 伊藤 正一 大久野病院

         社団法人 東京都医療社会事業協会
 選挙運営委員長 前佛 友子

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