震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会         No.11  2012.7.30

災害支援ニュース
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 「 大飯原発再稼働に思うこと 」

総務部 平田和広

 夏真っ盛りの、うだるような暑い日が連日続いています。被災地の方々も、何とかしてこの暑さを凌いでいることでしょう。昨年に比べて、その生活環境が少しでも改善されているということを願うばかりです。

 毎年の夏を乗り切るには、エアコンや扇風機といった冷房機器は必需品です。特にそれは都心部で言えることでしょう。しかし、その冷房機器の電源となる電気は都心部から遠く離れた地方で作られている。そのことを、私達の多くは昨年の東日本大震災の原発事故で知り、各々エネルギー問題を考えるきっかけとなったことでしょう。そんな中、7月上旬に関係者間で様々な議論がされてきた大飯原発が再稼働となりました。

 東日本大震災がもたらしたものの一つは、大規模災害を想定し備えるという教訓です。昨年の震災後、私達も各々職場、所属団体、家庭で話し合いを行い、来るべき大規模災害に備えているところでしょう。そのような中、諸事情があるにせよ国は大飯原発の再稼働に踏み切った訳ですので、東日本大震災を教訓に、現場である福井の地が第二の福島とならないようなあらゆる対策を講じているはずです。そうでなければ原発を再稼働してはいけないのです。福島では今なお、原発事故の放射能の問題は非常に深刻です。

 私事で恐縮ですが、先日、身内で不幸があり、福島県白河市を訪れました。葬儀の会場は緑豊かな斎場で、参列された方々の子供たちが退屈しのぎに元気に周囲を走り回っていました。その日は天候に恵まれ、青々と茂った木々が緩やかな風に揺れ、平穏な日常を感じさせる日でした。しかしながら、子供たちが元気いっぱいに飛び回る景色のその後ろに、何とも不釣り合いなものが設置されていました。それは、放射能の空間線量を測定し表示する、大きな電光掲示板でした。これは今となっては福島では決して珍しくない風景なのかもしれませんが、私は驚き、胸が締めつけられる思いがしました。そしてその電光掲示板に表示されていた数値は、国が示す基準では安全とされているものであっても、東京や埼玉で計測されている数値の十倍以上のものでした。これは今なお、福島では原発事故後の放射能の問題が非常に深刻なものであることを示しています。福島で生活している方々、特に子供たちのことを考えると、国が示す安全基準が本当に正しいものであることを切に願うばかりです。

 先日、福島のある農家の方の記事を見かけました。震災後は非常に苦痛でならなかった放射能の測定は、今では市場に農作物を出す一手間に過ぎないと思うようになられたそうです。そして、震災前よりも美味しい本物の農作物を、福島のこの地で作ることを目指して日々楽しんで農作業に当たっておられるとのことでした。この逞しさには、震災後の復興を期する多くの人々が感銘を覚えることでしょう。

 冒頭にも述べましたが、被災地の夏が、少しでも昨年より過ごしやすいものとなっており、震災前の日常に近付いているならいいなと心から思います。今後も変わることなく、福島を初めとした被災地に目を向け、感じ、考えていきましょう。また、今夏の猛暑を乗り切るため、各々体調管理にも気を付けていきましょう。

 

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