震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会         No.15 2013.1.25

災害支援ニュース
つたえる
心をつたえる…様子をつたえる…事実をつたえる…手立てをつたえる…気持ちを伝える

 2013年最初の「つたえる」です。
昨年は多くの方々のご協力によって活動を続けてゆくことが出来ました。本当に有難うございました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 東日本大震災発生から1年10カ月が経ちましたが、被災地においては現在も多くの方々が仮設住宅で、都内に避難された方々もそれぞれの地で、様々な不便を強いられた生活を過ごしています。
 私達東京都医療社会事業協会は、会員の皆様と共に力を合わせて今後も震災支援活動を続けていきます。

東京都医療社会事業協会
震災支援対策委員会
委員長 加藤 淳(南町田病院)

 

「被災地のアスベスト問題を考えるin石巻」

 昨年12月8日(土)~9日(日)にかけて、宮城県に訪問しました。当協会が宮城県に訪問するのは2011年の11月以来、1年1カ月ぶりとなります。
 今回は「被災地のアスベスト問題を考えるin石巻」というテーマで、東京労働安全衛生センターと宮城県医療社会事業協会の方々の多大なご協力で実施することが出来ました。

スケジュール

8日(土) 夜:

宮城県MSWの方々と交流会(仙台駅近くのレストラン)
復興のイルミネーション見学

9日(日)午前:

レクチャー(会場:石巻赤十字病院 2階 研修室)
①「アスベストの実際」外山 尚紀氏(東京労働安全衛生センター)
②「震災前後の受診状況」矢内 勝医師(石巻赤十字病院 呼吸器内科)
③「マスクフィットトレーニング」片岡 克己 氏(3M)

午後:

フィールドワーク
石巻赤十字病院~市内瓦礫置き場~門脇小学校近辺~日和山~
解体改修工事現場~渡波地区

 なお8日当日、私震災支援対策委員会委員長加藤と武山会長は「被災地のアスベスト除去工事を検証する集い」(会場:石巻市 河北総合センタービックバン)に参加するため、先に石巻に伺いました。
 この集いにおいて、外山 尚紀氏(東京労働安全衛生センター)による「石巻市で起きたアスベスト飛散事故」についてや井部 正之氏(ジャーナリスト)による報告と、自治体も含めた様々な関係者によって検証や討論が行われ、飛散事故の現状や行政の対応など報道されていない深刻な問題を知る機会を得ました。
 その後、午後東京を発った都協会の参加者と合流し、夜は宮城県医療社会事業協会の庄司会長をはじめ宮城県のMSWの方々、レクチャーの講師方々を含め、総勢27名で交流会を行い、親睦を深めました。

 翌9日は、震災時、災害支援の拠点となった石巻赤十字病院の研修室にてアスベスト問 題研修会を開催、宮城県MSWの方々や、日本医療社会福祉協会現地スタッフ、地域支援活動の方々も含め、21名の参加がありました。
 このレクチャーにおいて、アスベストが及ぼす問題と、医療従事者としてそれを防ぐことの大切さを学ばせて頂きました。被災地に何らかのサポートで入る際、サポートする側が持つマスクを装着する心理的抵抗感についても話題に上りました。相手をサポートするという立場にいる者が「自分自身の安全を守る事の大切さ」を蔑ろにしてはいけないという強い言葉を片岡氏より聞き、ひとしきり考えました。
 矢内先生からは震災以降、避難所生活で多くの方々が肺炎などの呼吸器疾患にて命を失った現実を知らされ、災害での私たちの役割を痛感しました。

 午後のフィールドワークには、山間地には雪が降り積もる中、前述の行程を周り、実際のアスベストを使った建物被災状況、津波の被害で波型スレートというアスベストむき出しの壁を見、大津波に被災した病院や火事にもあった門脇小学校の前に立ちすくみ、すべてが流された被災地の状況を目の当たりにしました。

 この2日間を通して参加者は多くのことを学ばせて頂きました。
 何十年にも及ぶアスベストの問題や、被災地の進まない経済問題、1年を経過しての健康問題など、震災が人々に与える影響の大きさと長い期間を改めて知り、長期に関わっていく必要も実感しています。

 参加された方々にとって、今後の活動の足掛かりになれば幸いです。

 実際に今回の訪問後に、再度石巻を訪れ、日本協会の現地活動に参加された方もいます。

 今年も、都協会として被災地訪問の企画を検討してゆきます。

 なお、石巻赤十字病院にて行われた研修の内容は、会場準備から災害後のデータなど多大なご協力をいただいた呼吸器科矢内勝先生をはじめ諸講師のご厚意で、録音・録画をして当協会の大切な資料として残しております。貸し出しも行っておりますので、ブロックの勉強会などに活かせていただけたらと思います。また、3M社 片岡氏よりマスクをはじめ防災関連グッヅほかのご提供を戴いています。

 最後に、参加者からの感想の一部を掲載させて頂きます。
[参加者の感想より]

○がれきの山が小さくなっていて、少しずつ復興に向けて動いているのだなと思う反面、手付かずの地域もあり、まだまだの本当の復興には時間がかかるのだろうなと思いました。 震災直後とは違った問題も生じているようですが、世間の関心は薄れつつあるように思います。宮城県協会のMSWから「忘れないで欲しい」という言葉があったように、今回 被災地を訪問した私達が、忘れないように周囲に発信していきたいと思います。

○・報道されていない裏側に被災地の新たな問題があることがわかった。
  ・アスベストに関する基礎的な知識を身につけることができた。
  ・ 時間は過ぎていてもまだまだ復興というには程遠く、国の政策も含めてどのようにしていけば   一日も早い復興に近づくのか無力な自分を感じた。

今回の訪問に関して、東京労働安全衛生センターとその関係者の方々、宮城県のMSWの方々、石巻赤十字病院の矢内先生には、多大なご協力を頂きましたことに大変感謝致します。また、今回参加して頂いた方々にも大変感謝致します。本当にありがとうございました。

※なお、近日発行の東京MSWにも、写真や参加者の感想を含め報告を掲載しております。

写真

復興のイルミネーション(仙台市)

 「つたえる」では、会員の皆様からのご意見を募集しております。震災と、その支援に関しての意見や想い、伝えたいことなど、是非お寄せして頂ければ幸いです。字数など、特に細かい制限はございません。
 掲載希望の方は、都協会事務局にご連絡の程、よろしくお願い致します。

発行 一般社団法人 東京都医療社会事業協会 震災支援対策委員会
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