震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会         No.18 2013.4.1

災害支援ニュース
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公開講座「原発事故による分断と対立を超えて
~原発事故子ども・被災者支援法の成立と今後の課題~」の報告

社会問題対策部  山崎 まどか

 平成25年3月2日(土)、渋谷区にある東京ウィメンズプラザにて、当協会の公開講座が開催されました。講師として、この法律制定を手掛けてきた弁護士・河﨑 健一郎先生をお招きしご講演頂きました。

◆内容  ※講演録は都協会のHPにある<イベント情報&報告>にアップされています。
 東日本大震災による福島県の原発事故において、国は20ミリシーベルトを境にそれを超える避難区域からの避難者と「自主避難者」に分け、補助の対象となるかを判断しています。しかし、これまで追加被ばく線量の安全基準は年間1ミリシーベルト以下と設定されてきました。河﨑先生は、「20ミリシーベルト以下であっても安全基準を遥かに超える線量の区域にいる人々にとって避難したいという想いは理解ができる、法律家としてその人々を“基本的人権”の中で擁護しなければならない」と立ち上がりました。
 2011年7月、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク「SAFLAN」を設立、まずは自主避難者を社会問題化していくことを課題とし、福島県での集会や、自主避難者の請求書の回収、ヒアリング等を重ねて議員立法として2012年6月21日法律制定に至りました。
 現時点では、まだ予算措置はされておらず、理念法に留まっています。今後策定される基本方針が控えており、その作成に向けて今が正念場であること、あのチェルノブイリでも法律制定までに5年かかっており、粘り強く法律を育てていくことが重要であると強調されました。そして、私たちMSWに向けて、避難者とうまくつながりをもつこと、その声をどう反映させるかが大切であるとメッセージを残してくださいました。

◆ご紹介
 インターネットで『一年目の花見』と検索してみてください。河﨑先生がご講演の途中で見せてくださった映像です。(講演では一部抜粋)原発事故後、二本松市のある幼稚園に通う子どもたちが、たった5分という限られた時間しか外で遊べず泣き止みません。皆で記念撮影した桜の木は1年後に切り倒されてしまいました。その幼稚園の園長や子どもの父親たちが、妻と子どもを自主避難させたこと、させなかったことについて自分の選択がこれでよかったのかと涙を流し語り合う、そんな姿が15分程度にまとめられています。

◆参加者から頂いた感想(一部)

  • こども被災者支援法をまとまった形で聞けてとてもわかりやすかった。

  • 人数が少なくMSWとしてこれからの困難さを痛感しました。と同時により一層取り組まなければいけないことを感じました。

  • とてもわかりやすい説明でした。法律が出来た事と支援の実際がこれからという事で内 容と実施について真剣に考えていかなければならないと感じました。被災者にどうやっ て聞いていくのかが大切だと思いました。

  • 複合的な福島の問題において、今回の法律の理念である移動と帰還の権利(避難する権 利)記載はきわめて画期的なものと感じました。基本的方針、具体的施策の一日も早い 実現を願いつつ、一市民としてこの問題に向き合っていきたいと思います。いろいろ刺 激を受ける内容でした。

  • 涙が止まりませんでした。原発離婚や虐待の増加の事を知り、放射能の身体にもたらす 被害とは別にそういった問題が出てきているのだと深刻に思いました。又、地域だけで なく人の支援をという言葉に私たちはMSWとして取り組んでいかなければいけないな と痛感しました。

河﨑 健一郎先生、ご参加頂いた皆さま、どうもありがとうございました。平成25年度も、震災支援に関連した公開講座を行う予定ですので、皆さまのご参加をお待ちしております。

 「つたえる」では、会員の皆様からのご意見を募集しております。震災と、その支援に関しての意見や想い、伝えたいことなど、是非お寄せして頂ければ幸いです。字数など、特に細かい制限はございません。
 掲載希望の方は、都協会事務局にご連絡の程、よろしくお願い致します。

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