震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会   No.30  2014.12.29

災害支援ニュース
つたえる
心をつたえる…様子をつたえる…事実をつたえる…手立てをつたえる…気持ちを伝える

 11月22日に長野県北部において発生した長野県神城断層地震により、大きな被害が発生しました。被害を受けられた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
 現在も100名以上の方々が避難生活を余儀なくされており、豪雪が住宅の再建を阻んでいる状況です。
 震災発生時、当協会武山会長より、会長会のメーリングリストを通じて、協会として必要とされる支援について発信させて頂きました。その後、長野県医療社会事業協会の小巻会長より、現況について返信を頂いております。  
 今後も必要に応じて、協会としての協力を検討してゆきたいと考えております。


[1]南相馬市訪問行動に参加して

 原爆被爆者相談所 東友会 相談員 的早克真

※編集担当より:前号に引き続き、9月の福島県訪問の報告です。ページ数のボリュームの関係で、今号に掲載させて頂きました。
 早くから原稿を用意して頂いた的早さんにはお詫び申し上げます。
 原爆被爆者相談所のソーシャルワーカーという経験や視点、思いで書かれた、とても貴重な内容となっています。読まれた方一人一人が、様々な感想を持たれると思います。

 一度は福島の被災現地をこの目で見ておかなければ、相談員としても日本の一国民としても被災の現実と被災地の人達の苦しみを理解することは出来ないと思っていました。
 今回は運良く日程が合い、被災後3年半にして初めての福島入りができました。

 私は原爆被爆者の相談員という職務のため、原爆の兵器の破壊力とともに、放射線障害によって苦しみ続ける被爆者の実態を数多く見、相談を受けてきました。
 多くの被爆者が体験してきた家族、友人たちの死。そして自分にいつ襲いかかってくるかもしれない病魔への不安。子や孫に何か影響が出るかもしれないという恐怖。そして、原爆を受けたが為にさらされた差別。
 こうした広島・長崎での残量放射能による被害・後障害は福島第1原発事故においても起こりえるのではないか、と言うのが私が抱いている不安です。
 民宿「いちばん星」の星さん、南相馬市立総合病院の小鷹先生のお話を聞き、南相馬の復興のための思いと努力は並々ならぬ物を感じ、可能な限りの協力をしていかなければと思いをあらたにしました。
 小高地区仮設住宅の皆さんのお話を聞かせて貰ったとき、もう二度と被災前の地に帰ることは出来ない、子どもたちと一緒にくらすことはできないと言うあきらめの境地になっていらっしゃるように思いました。地震と津波の被害だけであったなら、多数の犠牲者への悲しみは消え去らなくとも、家族で力を合わせて再起を期すことは出来た人もいたかもしれない。しかし、原発事故による汚染はそれを許すものではなかった。たとえ、国や東電が「安全です」と言っても、子どもを抱える親にとっては戻っていくことができないとしても責めることはとうてい出来ないでしょう。

 原爆被爆者の関連にもどりますが、昭和20年8月6日、9日の原爆投下一ヶ月後の9月6日に米軍原子爆弾災害調査団団長ファレル准将が「広島・長崎では、死ぬべきものは死んでしまい、9月上旬現在において原爆放射能のために苦しんでいるものは皆無だ」との声明を発表しました。その後1957年「原爆医療法」ができるまで、12年の月日にわたって原爆被害者は放置され続けたのです。この間にどれだけの被爆者が放射線障害によって亡くなっていったのかわかりません。そしてこの間に亡くなった被爆者は法的に「被爆者」としては認められていません。つまりこの間に被爆した人が生んだ子どもたちは被爆二世としても認められることはないのです。
 今の福島の人達は、この当時の被爆者たちと同じような扱いを国や東電からされているようにしか私には思えません。
 私は、東友会で被爆者手帳申請の相談援助の業務も担当しています。元気だったから手帳は要らないと思っていたという人が、最近急にガンやいろんな病気が出てきて不安になったと、手帳申請の相談をしてくる方は少なくありません。原爆による被害を受け被爆者手帳を取得するためには、自分が被爆した事実を証明しなければなりません。申請しても当然、行政側が認定しなければ発行されません。年月が経つにつれこの「被爆を証明をする」と言うことが大変困難になっています。
 福一原発事故による影響が人々の上にもし現れてきた時、その原因を証明するのは被害者自身がしなければなりません。「被爆者援護法」のように法律で「被ばく者」を認定する基準が決められたとしても、その基準に本人が当たるのかどうかも本人が証明をしなければならないでしょう。行政が被災者に被災証明を発行することが必要だと思いますが、われわれソーシャルワーカーにできることは、被災者本人が原発事故以降いつどこに誰といたのか、どういう症状があったのか、医療機関に掛かったのであればどこに受診したのかなど可能な限り詳細な記録を残して置くことを助言すること。相談記録にも記録して置いた方が良いと思います。医師の協力が得られればカルテにも記載してもらったほうが良いと思います。そしてその記録の長期保存も検討しておくことが必要だと思います。

  とりとめもなく書いてしまいましたが、自分の被爆者相談員としての経験から、今回の訪問行動で感じたことを書かせていただきました。

[2]震災支援講演会「あなたとつくる その日の備え」開催に向けて

日 程:2015年1月11日(日) 午後 1時30分~4時30分   
会 場:南大塚ホール(豊島区南大塚2-36-1)
講演者:豊田 吉彦 氏(福島県生活環境部避難者支援課主任主査)
     他

 開催に向けて、東京社会福祉士会の大輪会長をはじめ、関係者の方々と打ち合わせを重ねています。関係団体からの後援や、広報活動に関しても協力し合いながら進めている段階です。
 以下は開催の趣旨ですが、関係機関に宛てた趣意書から抜粋して掲載致します。

 私たち社会福祉に関わる仕事をする団体は、耐震上の問題があった新宿区のビルから、昨年秋に、豊島区南大塚に事務所を移転しました。この講演会は、私たちが、新たな地域の一員として、近隣の皆さまと手を携えて事業を進めていきたい、安全・安心の街づくりを一緒に進めていきたいとの思いから開催を計画しました。合わせてこれまで進めて来た災害への支援活動や、私たちの団体や事業についても、広く知っていただくことが出来ればと思います。

 今回の講演会では、2つのことをお話していただく予定です。1つは、関東圏において災害が生じた場合に備え、今出来ること・考えなくてはいけないことは何かということです。例えば、「自分の避難場所はどこか」「災害発生以降の最初の3日間をどう過ごすか」など具体的なことを、身近な方と一緒に準備しておくということです。

 もう1つは、都内に避難されている方々のお話を聞くことで、災害後まで見通しての 安心について考えることです。どのような事態になっても、全国どこであっても、安心して暮らすには何が必要か、今は同じ東京都内や豊島区で生活する被災者と共に考えてゆかなければならないことです。当日は福島県生活環境部避難者支援課職員、避難当事者団体の方などにも、講演をお願いしています。被災地で復興と再建が進められている一方、今もなお全国で、多くの方々が大きな問題や複雑な気持ちを抱えながら、避難した地や、変わってしまったふるさとで、失った生活を取り戻す努力の日々を余儀なくされています。 「忘れないで欲しい、私たちの経験から学んで欲しい」と今も多くの方が語られています。
つきましては、少しでも多くの方に参加していただけるように、開催にあたり、是非ご賛同、ご協力を賜りたく、心からお願い申し上げる次第です。

以上、開催に向けての関係者の思いが伝わって頂ければ幸いです。
 震災発生から3年半以上経ち、震災に関する記憶が薄まりつつある状況です。だからこそ、当日は一人でも多くの方々に参加して欲しいという思いで準備を進めています。
 多くの方々の参加をお待ちしております。また、参加が難しい人は、周囲の方々に周知して頂くよう、お願い致します。  
 また、準備に関して協力して頂ける方も引き続き募集中です。関心がある方は都協会事務局ならびに、牧田総合病院 MSW加藤宛、もしくは各理事にお声をかけてください。

[3]「医療と福祉110番」が開催されます

 当協会の活動の一環として、医療ソーシャルワーカーによる電話相談「医療と福祉110番」が毎年開催しています。
 今年度は2015年1月26日(月)~31日(土)の期間、10時から16時にて行います。
 9月に準備委員会を立ち上げ、渉外や広報など様々な準備に取り組んでいる状況です。
 今回、都内に避難されている方々にも情報が行き届く用、専用のチラシを作り、広域避難者の交流会など、様々な場所で配付しております。

[4]「非常災害時対応マニュアル」について

会員の方々のお手元に、当協会の最新の会員名簿が届いているかと思います。今回の名簿の末尾に、協会としての「非常災害時マニュアル」を添付致しました。マニュアルの内容に関しては、今後も検討を重ねてゆく予定です。御意見など協会宛に頂ければ幸いです。

11月29日~30日に、宮城県MSWとの交流会と被災地(亘理郡)訪問を実施しました。次号にて詳細な報告や参加者の感想を掲載致します。

  「つたえる」では、会員の皆様からのご意見を募集しております。震災と、その支援に関しての意見や想い、伝えたいことなど、是非お寄せして頂ければ幸いです。字数など、特に細かい制限はございません。
 掲載希望の方は、都協会事務局にご連絡の程、よろしくお願い致します。


発行 一般社団法人 東京都医療社会事業協会 震災支援対策委員会
〒170-0005
東京都豊島区南大塚3-43-11 福祉財団ビル5F
電話・FAX : 03-5944-8912
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