震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会   No.36  2015.12.14

災害支援ニュース
つたえる
心をつたえる…様子をつたえる…事実をつたえる…手立てをつたえる…気持ちを伝える

[1]都協会による福島県訪問の日程が決定しました

日程:2016年3月12日(土)~13日(日)

 昨年9月13日から14日にかけて、福島県訪問と福島県MSWの方々との交流会を行いました。福島県のMSWの方々との交流会は初めてでしたが、詳細な報告を伺わせて頂いたこと、そして様々な意見交換を交わし、交流を深め、とても充実した会となりました。
  その後も福島県のMSWの方々と相談を重ね、今年度も実施する運びとなりました。
 日程は2016年3月12日~13日です。3.11の翌日ですが、震災から5年ということで、現地の支援者の方々としてはあえてこの日程でとのご連絡を頂きました。
 二日間の日程の中で、震災から5年と経った福島県の現状や、現地で支援される方々の想い、そして今後も起こりえる災害に対するMSWの関わり方など、話しあってゆきたいと考えております。そして、お互いの繋がりを深めてゆくことを望んでいます。
 是非、一緒にご参加の程、よろしくお願い致します。

[スケジュール(予定)]
12日:午後 福島県のMSW、現地支援者や他団体を含めたディスカッション(福島市内)
夜 交流会
~福島市内にて宿泊~
13日:午前~午後 福島県のMSWの方々と共に南相馬市訪問
夕方 福島駅にて解散

[参加に際する留意事項]
交通費・宿泊代・食事代など実費負担となります。
宿泊先に関しては、都協会にて確保致します。
移動時の車の手配の関係もあり、定員を12名程とさせて頂きます。
[申し込み方法]
会員の方々に、後日申し込み用紙を郵送致します。
※都協会ホームページにも掲載予定です。

宿泊費用や時間の詳細に関しては、改めて御報告致します。

[2]日本医療社会福祉系学会連合 公開研究会

『災害福祉学の構築-支援者支援を考える-』参加報告

武山ゆかり(豊島区医師会)

 日本社会福祉系学会連合主催による公開研究会が10月17日、東洋大学を会場に開催されました。「支援者の支援」というテーマは、東日本大震災発災直後から、MSWの間でも耳にすることも多くなった言葉で、「災害が起きた時のこころのケア~サイコロジカル・ファーストエイド」の資料を読んでから現地へ、などのアドバイスを受けたかと思います。
 私のソーシャルワークの原点の1つにもなった「災害」ですが、そのきっかけとなった阪神淡路大震災の神戸ボランティアで感じた「経験したことの無い心理状態」は、後年、災害支援を考える中で、おさえておかなければならないことを多々教えてくれました。それは「疲れていても、それを感じない高揚感」「無感動であたらなければ出来ない作業終了後の脱力感」「日常に戻った時のまわりからの解離感」など、当時はMSW間での組織的支援は少なかったこともあり、大分経ってから、調査でのヒアリングを通じても、多くの方が同じ気持ちに陥ったことを知りました。生き残った自分が「休んではいられない」「被災した人は辛いに違いない」と自分を支援現場から外へ置くことが出来ない気持ちで休もうとしない。それは支援者としては好ましくない状況でした。私自身にはそれが大きなトラウマにならずにすんだ理由は、当時まだ小学生の子どもたちがおり、短期支援の繰り返しだったからであり、日常業務の中で平常心を取り返し、自分を振り返る期間がとれていたからこそだったと後日気付きました。
 数週間と長引く支援活動や、また東日本大震災の様に、被災地にたどり着くまでも困難があり、見渡す全てが悲惨な状況という中で何日も働く時には、必ず、何らかの心の支えが用意されなくてはいけないこと。また、感受性が強い人の気持ちの揺れが、大きくなり過ぎないように「気を配る人」がチームに居る必要があること等、被災地のMSWが語られた報告からも、3つの大きな災害への支援を経た自らの体験を通し、強く感じていました。

 支援者支援についての研修・研究活動への参加は,2012年の国際ワークショップ(日本社会事業大学)、2013年災害看護グローバルリーダー養成プログラム(日赤看護大学)に続いて3回目になりますが、より実践的な課題が報告されました。今回の報告は、数値化と自己テストといった、より科学的な分析を経ての共感満足や、共感疲労といったリスク回避に繋がる問題の整理をされた報告が、2人の研究者から。福島県で「地震・津波・原発被ばく・風評」という四重苦の中で外部から支援を受ける側と、県内で、他の機関のMSWや地域への支援をする側としてのストレスの経験が、福島県MSW協会、当時福島労災病院MSW:鈴木幸一氏からリアルに話されました。一昨年より東京都社会福祉協議会が東京都の委託で検討を進めている「広域支援の在り方検討会」で進められている「支援に入る側」「支援を受ける側」の準備の問題でもあります。また災害福祉学の前進を願う中で、被災者への調査活動が、どう住民からは感じられたか、支援や調査は、被災住民や機関に対しどのような配慮が必要か等が、MSWとして石巻で共に支援活動に参加し、在宅避難の住民調査シートの作成にあたった報告者:梅崎薫氏(埼玉県立大学)からも出され、講演後、福祉系研究機関で合同して取組む必要性、その後も多様な被害に見舞われた茨城県MSW協会で行ったMSWによるピア支援とスーパーバイズの違いなどが討議されました。

 また専門職間の支援の引継ぎが、どのようにされたら被災者が違和感なく援助を受けられるのか、「繋ぐ記録」のトレーニングなど、まさに私たちMSWが実践してきた課題、今も引き続き市の委託を受け日本MSW協会が展開している被災住民自立支援とそこから創り上げてきた「災害ソーシャルワーク」のあり方と「災害研修」の内容について言及され、一歩先を歩んでいる私たちMSWの支援と経験の継承が間違っていなかったことが確認されました。「支援の引継ぎ」は、文字通りそれがタイトルになった日本医療社会福祉協会発行の『東日本大震災 医療ソーシャルワーカーの支援のバトン』Ⅰ~Ⅲ や『医療と福祉』No91に詳しく書かれており、今後の『災害福祉学』の重要な部分を担うことになるでしょう。『支援のバトン』Ⅳは現在編集中ですが、既刊を未読の方にはぜひ、お読みになることを勧めます。(日本医療社会福祉協会:災害支援チーム事務局03-3351-5038または都協会)
「災害」は、様々な形で、また今日にでも起こり得ることでもあります。東京では簡単に「大惨事」になる要素をたくさん孕んで社会が回っています。「備え」はMSWの重要な仕事のひとつだと日々感じながら、一人一人の相談者の生活に向き合っています。

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委員から

さば缶ラーメン

 
少し前のことですが、ある休日、家族で出かけたついでに世田谷の経堂にあるラーメン屋さんへ「さば缶ラーメン」なるものを食べに行きました。ラーメンにさば缶ってどうなのかな?と思われる方もおられるかもしれませんが、私も初めに聞いた時はまさにそんな風に思っていました。実際に食べてみると、意外や意外、いける!!と、あっという間にペロリとたいらげてしまいました。
 このさば缶ラーメンを知ったのは、「きぼうのかんづめ(文:すだやすなり、絵:宗誠二郎、発売元:株式会社ビーナイス)」という絵本を読んだのがきっかけでした。 この絵本の概要は・・・ 宮城県の石巻にある缶詰工場と経堂の飲食店がもともとコラボしていたところ、東日本大震災でこの缶詰工場が壊滅的な被害を受けてしまい、「さば缶」も多くが津波で流され、がれきの中に埋もれてしまった。でも、がれきに埋もれていた「さば缶」を掘り起こしてみると、入れ物は傷が付いていたり汚れていたけれど中身は問題なく無事だった。そのがれきや泥で汚れていた「さば缶」を関係するみんなで洗ってきれいにして、そしてそれを経堂の飲食店がそれまで以上にたくさん買い取って自分達の商売で消費して工場の復興に大きく貢献した。     ・・・というものです。
 これからますます寒くなる季節にラーメンを食する機会も増えるのかなあと思いますが、たまには少し足を延ばして、こんな心も少し温かくなる「さば缶ラーメン」を食べてみてはいかがですか?

平成27年11月27日
震災支援対策委員会
委員 平田 和広(上板橋病院)

    「つたえる」では、会員の皆様からのご意見を募集しております。震災と、その支援に関しての意見や想い、伝えたいことなど、是非お寄せして頂ければ幸いです。字数など、特に細かい制限はございません。
 掲載希望の方は、都協会事務局にご連絡の程、よろしくお願い致します。

 過去のバックナンバーは当協会のホームページにて閲覧可能です。
 http://www.tokyo-msw.com/top_links/shinsai/tsutaeru/saigai_news.htm

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